6月 16, 2019 31日

九日目

「うわ、2822センチ!昨日は1484センチだからほとんど二倍だな」
もう体育館に居られず出てきた莉菜の身長を測る。測るとは莉菜自分にメジャーを持たせて大体の高さまで上げて数値を見る。
そして今は28メートル、もう俺の10倍に近い高さだ。
莉菜「こんなに成長しちゃったな。学校も私より低いよね」
「そうだな」
それから俺は校舎の屋上で莉菜と話している。その方が近い。
俺は5階も上がって、屋上に辿ったというのに、それでも莉菜に見下ろされる型になる。莉菜の方は校舎より7メートル高いかもしれない。首以上が全部屋上より上のところにいる。
莉菜「これから巨人になったりして。あはは」
「それを言うなら今はもう巨人だよ。校舎より大きいだから」
莉菜「あ、そっか、私巨人になった!えへへ、巨人でも、私はお兄ちゃんの巨人の妹だよ」
そう言って手で俺を掴んだ。屋上から離され、地面はさっき以上に遠くなった。
莉菜「えへへ、高いでしょう」
「そうだな。離さないといいけど…」
莉菜「うお!」
「ああああ!」
まるで落下するように蹲って、手を地面とすれすれのところまで移され、ジェットコースター以上の速さで、ていうか俺はさっき一階から五階まで上がるの結構時間が経ったのにな。
「もう、驚かさないでよ」
莉菜「大丈夫。私がお兄ちゃんに傷つけることはしないよ」
改めて妹の高さに驚くところだった。
「ていうか、今日はグラウンドで寝るしかないか」
莉菜「そっか。体育館はもう小さすぎたな。えへへ、お兄ちゃんがいればどこに寝てもいいよ」
「莉菜がそう言うなら付き合うよ。莉菜を一人にさせるわけにはいかないしね」
莉菜「これこそ私のお兄ちゃんだもん」
そうは言うものの、グラウンドでも150メートルくらい。本当に莉菜を収められるのは何日までだろうか。
やはりどうしても政府に頼って郊外かどこかで家を建ててもらうしかないか。

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