6月 09, 2019 31日

二日目

なんか昨日から身長が伸びたみたいで嬉しかった。今日も幼児園に行ったら、私が同い歳の中でも高い方になったと気づいた。私はもうそんなに低い小さくなかった。
そしてお兄ちゃんが迎えにきた時。
莉菜「お兄ちゃん、私、友達よりちょっと高くなったよ」
「本当?それはすごいな」
莉菜「うん!だから、今日も測って測って」
「あ、わかった、家に帰ったらね」
私は一つのことに思い付いた。
莉菜「ううう、ん…」
手をいっぱいあげて、私はお兄ちゃんの手を繋ぎたかった。必死に手を上げていたが、もうちょっと、ちょっとなのに、届かない。やはりお兄ちゃんは高いな。自慢のお兄ちゃんだ。けど、繋げられないのはやはり心細い。
「どうしたの、莉菜?」
莉菜「お兄ちゃんと手を繋ぎたい」
「え?」
私は見下ろしてくるお兄ちゃんに向けて手を高く上げて見せた、そして察したように微笑みながら屈んできて私の頭を撫でてきた。
「もうちょっとだったな、じゃあこうして」
そしてもう一つの手はポケットの中を弄っていたようで、中からはハンカチが取り出された。
ハンカチを半畳みにして、お兄ちゃんはその片方を寄せてきた。
「ほら、ここを掴んで」
言われた通りすると、お兄ちゃんはもう片側を掴んで、そして立ち上がった。
「これで大丈夫だろう?」
莉菜「うん!えへへ、お兄ちゃんと繋いで」
ちょうどいい長さのハンカチで、私も手を痛いほど上げずにすむ。直接ではないが、それでも繋げているみたいで私はとても嬉しかった。
これじゃ私とお兄ちゃんはかっぷるみたいだね。そんな風に思いながら私たちは家に帰った。
莉菜「お兄ちゃんお兄ちゃん、早く測って測って」
「はいはい、家で走らないでね」
靴を脱いで玄関に上がった私はすぐに自分の部屋に向かった。
莉菜「早く、早く」
ワクワクして壁に背を向けて立つと、お兄ちゃんも後から付いてきた。
お兄ちゃんが蹲ると、私は気づいた。私が低いからお兄ちゃんはよく蹲るから、今まで私の目線はお兄ちゃんの膝のところだけど、今日は蹲るお兄ちゃんとほとんど同じ高さだった。
「莉菜本当に背伸びたみたいだな」
お兄ちゃんもそれに気づいたらしく人ごと言ってから定規で比べてみた。
「え?100センチ超えてた。ええと、117センチ⁉︎」
莉菜「本当⁉︎」
にわかには信じられないらしくお兄ちゃんはもう一度同じことをしたが。
「本当に117みたいだな。てことは25センチも伸びたってことか。なんでいきなりこんなに伸びただろう」
莉菜「私、育ち盛りかな」
「そうかもな」
莉菜「えへへ、育ち盛り、育ち盛り」
まだ困惑しているお兄ちゃんだが、私が嬉しいのあまりに抱きつくと顔も緩めてきていた。

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