7月 06, 2019 31日

二十五日目

昨日まで子供と大人の差に見える、莉菜と太陽の差が一気に広がり、今の太陽は莉菜の片足くらいの大きさしかいない。
「なんだか成長がまだ早まったね」
莉菜「えへへ、そうみたいだね」
「今の身長は10,717,433kmもあって、それに一分だけで2万kmも伸びてるから、地球の直径の二倍はあるよ」
今の莉菜が宇宙で地球を見つけるのはさぞ困難だろう。だって伸びる速さはすでに地球の大きさよりも早いだから。
元々地球にいるけど、今や地球が莉菜の上に居ても多分気づけないくらいちっぽけな存在になってしまった。その地球でも大きく見える俺を、莉菜が気づいてくれるのはすでに奇跡と言わざるを得ない。
莉菜から見れば地球は2mmくらいしかいない。目を凝らさないと探すのも難しい。それにまだ成長すると言うのなら、そのうち地球が完全に見えなくなるほど大きくなってしまうだろう。
「地球が莉菜にとって微生物の大きさしかいない日が来るだろうか」
莉菜「そうかもな。でも、どんなに大きくても、私は絶対にお兄ちゃんを見つけ出せるよ」
「お兄ちゃんは嬉しいよ」
宇宙をも制圧できるではなかろうか、そんな莉菜は、俺に好意を向けているのは、最高の喜びである。

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