6月 20, 2019 31日

十三日目

「うわ、この家もすぐに限界が近いのか」
莉菜「あはは、そうみたい」
起きてからすぐに頭が天井にぶつかった莉菜。
この家は壁が厚いお陰で普通以上に高いことになるが、それでも莉菜の成長の速さですぐに追いついたみたい。
「てことは今は500メートル以上だな」
莉菜「それだけじゃないかな」
家の天井は500メートルあるが、今の莉菜は上半身ほとんど屈めている状態。それなら600メートルも軽く上回るよな。
「早く出よう」
莉菜「うん!」
そして家を出てからマヤも来たので身長を測ってみた。
「どう、マヤさん?」
マヤ「これは今以上に早いですね。今は77456センチだが…もうセンチというのも意味がないと思えるほど伸びています。一分だけで50センチほど伸びています」
「そんなに⁉︎」
今までは毎日測っているだけで、別に成長速度をそんなに気にしていないけど。改めて知ると驚く、これって6分あれば俺の身長より伸びるってことだな。それに莉菜の場合は身長に合わせて倍以上の体積も増えてる。俺よりはるかに上回る成長率だ。
「莉菜はやはりすごいな」
莉菜「えへへ、毎日褒められて嬉しい。これじゃあどんどん伸びてしまうよ」
「そういえば東京タワーは333メートルだったか?それってつまり…」
マヤ「はい、二倍以上大きいと思います」
莉菜「本当⁉︎見てみたいかも」
「それなら行こうか」
莉菜「うん!」
マヤが帰ってから、莉菜と一緒に東京まで行った。
莉菜「これはちょっと狭いな」
「気をつけてよ」
都市に入ればすぐに莉菜の大きいが際立つ。
通りの幅さえ莉菜の片足を収まらず、一歩一歩下ろしただけで建物は損傷を受けている。
莉菜「あ、それが東京タワーかな」
まだ遠いけど、この高さですでに高い建物が目に入る。
「そう、あれが東京タワー」
莉菜「じゃあ近づいて見ようか」
色々苦労して、道行く時は車も全部止まって俺たちが通り過ぎるのを待っていた。
それからやっと東京タワーに着いた。
莉菜「あー、本当に小さいな」
蹲って東京タワーを見る莉菜だが、それでも見下ろす形で、俺が肩に乗せられても東京タワーより高い。
莉菜はすでに人工の建物より高い。ただの人間がここまで大きいとなると、余計に興奮するな。
莉菜「お兄ちゃん、私の方が大きいね」
立って見れば東京タワーは莉菜の膝よりやや高いところにしか届かない。もう2倍以上の差がつけられていた。
「あ、莉菜は高いよ、世界一番高いな」
二番目の俺の300倍くらい高いけど。
莉菜「えへへ」
そう言われて嬉しそうに微笑む莉菜は、それでも可愛かった。

SHARE NOW

コメントを残す