6月 25, 2019 31日

十七日目

莉菜「雲はもうこんなに低くなったよ」
「そうだな」
見下ろせば、雲は膝よりしたのところにいた。もし飛行機が飛んでも、莉菜の足は超えられないだろう。
「無人飛行機は無理だから。今日はどうやって身長を測るだろう」
莉菜「私が飛行機よりずっと高いもんね」
一旦地面に下ろしてもらうと、雲に遮られると全然莉菜の顔が見れない、その下に伸びるのも長い足だけで。巨人でもこれほど大きいのは少ないじゃないだろうか。
そこでマヤが来た。
マヤ「今日は新たな対策を立てて、衛星観測で身長を測ります」
「衛星か、すごい」
マヤ「ええ、先程はすでに結果がでました。今は72863メートルです」
「72km⁉︎もうこんなに大きかったのか」
この身長だと、エベレストはその足の長さにも及ばない。車が足の端から端までだけで数分もかかる。
マヤ「そうですね。宇宙までの距離は100kmですから。それももう近いです」
「そっか。そういえば大気圏の外になると大丈夫?莉菜」
莉菜「大丈夫かも。全然呼吸に困らないというか、呼吸は必要ないみたいな感じ」
「成長するとこれもできちゃうのか」
マヤ「それに、莉菜さんの質量によって重力が高く、実際に体には空気が付着していますのでお兄ちゃんさんも困らないでしょう」
「それはすごいな」
莉菜「えへへ。どこに行ってもお兄ちゃんと一緒にいられるね」
このまま続くと本当に宇宙に行ってしまいそうだ。

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