6月 11, 2019 31日

四日目

今日幼児園に行ったら、同い年の子たちは私の足より低いよ。昔は私が二頭分低かったけど、今から見ればみんな低すぎたね。先生たちも昨日は同じくらい高かったけど、今は私の胸くらいなの。
街で歩いていればみんな私より低いし、唯一といえばお兄ちゃんだけは私より高いだな。
莉菜「お兄ちゃん!」
「そんなにくっつくなって」
午後になってお兄ちゃんが迎えてくれた。飛びつくように抱きしめるとお兄ちゃんは顔を赤くして私を押しのけた、けど、あまり力が感じなかったな。お兄ちゃんってこんなに弱かったかな。
莉菜「え?どうして?」
「いろいろ当たってるって…」
莉菜「いっぱい揉んでくれたじゃない。お兄ちゃんのお陰でこんなにおおきくなったよ」
「…」
何も言い返せないお兄ちゃんに、私はもう一度抱きついた。今度は離さずにそうさせてくれた。
今の私はまだお兄ちゃんの胸よりやや下のところにいる。たしかに朝より伸びたかも知れないが、まだまだだな。
かっぷるは身長差がいいと言ったけど、私はやはりこれでは満足じゃない。だからまだまだ伸びなきゃ。
今の身長ではお兄ちゃんと普通に手を繋げられて、私たちは本当にかっぷるに見えるかな。街ではこんな長身のかっぷるは見えないけど。
家に帰ってから身長を測ってもらった。
「ええと、228センチ⁉︎昨日より70センチ伸びてる」
莉菜「やった!もうすぐお兄ちゃんに追いつけるかな」
「これくらいになったし、もうならないじゃないか?」
莉菜「お兄ちゃんだって284センチもあるから。私もそれくらいになれるじゃない?」
「ええと…やっぱ医者さんにみてもらった方が…」
莉菜「じゃあ行こう、えへへ、お兄ちゃんとお出かけだ」
「それ、お出かけに数えられるの?」
莉菜「お兄ちゃんと一緒ならどこでもお出かけよ」
それからお兄ちゃんと外出のことになって、病院に行って。待ってる時間にみんなこっちをみてくる。私とお兄ちゃんはやはりかっぷるに見えたかな。そう思うとお兄ちゃんの腕を抱きついて、おっぱいを押し付けるとお兄ちゃんは振りほどこうとしたけど、私ががっしり掴むとできなかったみたいでされるままだった。
医者に見てもらってから、彼は最初は驚いた顔をしてから。渋々と私たちにこう告げた。
「なんの病気もないけど、むしろ身体機能は常人より上に見える。たしかに成長は異常すぎた。だが、これはまだ始まったばかり、というより始まったすらいない、これからまだまだ成長するはずだ」
とのことで、これで私もきっとお兄ちゃんに追いつけるだな。
莉菜「まだ伸びるってよ、えへへ、お兄ちゃん〜」
「そうだな」
そう言ってお兄ちゃんは頭を撫でてくれた。

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