6月 26, 2019 31日

十八日目

莉菜「ここが宇宙か。暗いね」
大気圏の外になると空も黒くなって、空は暗く見えた。
「そうだな。まさかもう宇宙に到達したとか」
エベレストの時も似たように、昨日はまだ程遠かった宇宙は、今や体の半分はすでに大気圏外にいた。
莉菜「えへへ。お兄ちゃんも宇宙が綺麗と思う?」
「うん、綺麗と思うよ」
莉菜「そっか。お兄ちゃんが好きならいつでも私に乗ってみていいよ。私の肩も頭もお兄ちゃん専用だから」
「そうか。じゃあちょっと下ろしてマヤさんに身長を聞きに行くよ」
莉菜「うん!」
それからお兄ちゃんを地面に下ろす。飛行機だと雲の上まで行くのは数分もかかるだろうけど、私ならすぐに宇宙から地面に下ろせられる。
莉菜「どう?お兄ちゃん?」
「ええと、今日は254363メートルだって」
莉菜「そっか、えへへ」
「すごいな。東京から大阪まででも500kmくらいだけど、もう半分くらい到達した」
莉菜「半分か。もうすぐ追いついちゃうかもね」
「そうだな」
莉菜「身長だけで東京から大阪の距離より多くなるなんて、えへへ」
「本当にすごいよ。指一本だけでも1kmあるじゃない」
莉菜「えへへ、そうなるな」
片手だけでエベレスト包み込められる。今私はこれほど大きくなっていた。
足元の雲だって、くるぶしのところにも程遠いように見えた。昔は見上げるばかりで、ビルの上でもとても遠くにいた雲なのに、今はこんなに低くなった。
それに、世界で二番目高いお兄ちゃんよりも9万倍近く大きい。

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