6月 24, 2019 31日

十六日目

莉菜「これは、雲かな」
下を向けば、ずっと上にいたはずの雲がいた。
「もう雲より高くなったのか」
莉菜「雲って触ってもなんの感触もないよね」
「そうよ」
莉菜の肩に乗せられて見下ろす景色、それは飛行機でしか見れない景色だと思った。
莉菜「あ、その小さいのって、飛行機じゃない?」
「え?」
目を凝らすと、そこには確かに飛行機があった。それも俺たちより低い位置にいる。
「まさか飛行機の高さより高かったか」
莉菜「マヤさんが来たら身長測りたいな」
それからマヤが来て見上げてくる。
マヤ「この身長になると無人飛行機もそろそろ限界ですね」
「そっか。じゃあ今回はまずよろしくおねがいします」
マヤ「はい」
それから飛行機が数分も高く昇ってから降りてくる。
マヤ「今は21132メートルですね。一番高い雲は13kmくらいだから。超えてもおかしくないです」
21kmはエベレストの二倍より高いな。昨日はまだか超えたばかりだけど、今日はすでにその二倍になってた。
「そっか。どんどん高くなったな」
それに速度だって全然減っていない。
莉菜「お兄ちゃん!海に立っても頭は雲の上よ」
そう言って海から声を掛けてくる莉菜。
海の最深部でも8kmくらいだから、そこではない限り、雲より上のは普通か。
莉菜「莉菜って、もう世界一高くなったかな」

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