1月 07, 2021 **日

十六日目

マイクロ人に別れを告げ、莉菜たちは他の種族を探すため、宇宙とは比べ物にならない、理解できない空間で散策していた。そんな中。

瀬菜「え、これは何?」

莉菜「本当だ、何かな?」

ほとんどなんもない空間に、白い何かが漂っているのが見えて、瀬菜はその方向に向かって進む。だが、成長速度でさえ瀬菜の身長の1百万倍に比敵する莉菜には到底敵わず、莉菜の方が先にその白いものに近づいた。

そして、最初こそ点みたいなものだが、近づくにつれ、それがとてつもないほど大きいものだと気づいた。

その大きさは莉菜から見てもとてつもなく大きい。丸い球体のようなものだが、それは真っ白で、知っている星とはまるで違った。そもそもこれはとっくに宇宙より大きい別の何かのはず。

あえてそれを星と言うのならば、それを遠く眺める莉菜はその星上の微生物に当たるものかもしれない。それほどサイズ差が大きかった。

しばらく経って瀬菜も来ていた。

瀬菜「大きいね。これはなんだろう」

莉菜にとっても大きいものだから、それは瀬菜からすればさらに大きく感じるのは言うまでもない。

だがここで莉菜が周りを見ると、この白い球体が一つだけじゃないと気づいた。その数は、無数、インフィニティって言っても過言じゃない。

点と点の間にかなりの距離があるはずだから、ここではそんなにはっきりと見られないので今まで気づいていなかった。

莉菜「こんなに…」

瀬菜「私もっと近く見てくるね」

莉菜が驚いている間、瀬菜は先に球体の表面まで近づいて、その表面を触れる。

瀬菜「え、これって、液体?それに、妙に馴染みのある匂いだ。あ、これは、牛乳⁉︎」

信じられないが、この球体の表面の白いものは牛乳らしいものだった。

瀬菜「ちょっと味見してみようかな〜」

そう言って瀬菜は顔をその表面に近づき、液体を飲み込む。

「大丈夫か?」

瀬菜「大丈夫だよ。あん、体が、あつい」

そう言った矢先、瀬菜が感じたように喘ぎ声を出して、体の表面の温度が高くなったのが感じられた。

莉菜「瀬菜、何やって…え、えええ⁉︎」

その液体を飲んだ瀬菜は、さっきまでの成長とはまるで違った速度で、莉菜に追いついてきた。

瀬菜「あれ、私、ねえちゃんと同じ大きさになってる?たった一口飲んだだけなのに」

莉菜「そうみたいね。これが牛乳の味がしてるなら、牛乳の成長効果とかあるのか?」

莉菜も試しに牛乳を飲んで見て、すぐに体が熱くなり、成長速度が早まる。

莉菜「あん、本当に、効果あるかも。だが、この牛乳って、満腹感あるから、もっと飲みたいのに飲めない」

莉菜が10^8倍くらい大きくなったところでその成長速度がだんだんと戻っていく。

瀬菜ももっと飲みたいけど、やはりその満腹感には耐えきれず、莉菜との差がまだ一千万倍広がられていた。

瀬菜「もう、やっと追いついたと思ったのに」

莉菜「ふふん、こんなもので成長できるなら私だってできるに決まってるよ」

ここでようやく、この真っ白な球体の上に何かがいることに気づいた。

莉菜「あれ、そこに何かいるかも」

液体の上では浮くことができないはずだが、そこだけは膜のようなものが張られて、その上で何かがいる。

それはまたも人間の姿をしているが、瀬菜と莉菜よりもずっと大きい生物だった。

莉菜「ちょっと言ってみよう」

瀬菜「うん!」

瀬菜:身長:1.21×10^58光年 一秒ごとに9.97×10^55光年伸びる

早苗:身長:5.82×10^10 一秒ごとに5.11×10^7km伸びる

莉菜:身長:1.87×10^66光年 一秒ごとに1.37×10^64光年伸びる

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