5月 31, 2020 **日

三日目

瀬菜「にいちゃん、早く測って測って!」
二日目連続で身長が伸びる私は、それはもうワクワクして朝早くも起きてて身長を測りたかった。
「あ、そんなに焦らないでよ」
私とは違って寝ぼけた目を擦りながらにいちゃんは怠そうでベッドから降りる。そして私は早くも壁に背を向けてピント背を伸びていてにいちゃんを待つ。
「ええと、今日は、1、155cm⁉︎」
うっすらと開いた目だったが一気に目張って、にいちゃんは測った数値をみる。もちろん驚いたのはにいちゃんだけじゃない。
瀬菜「本当!私、こんなに伸びたの!えへへ」
「本当に伸びるのが早いな。あ、そうだ、今日は医者さんを見に行くだったな。さっさと準備して行くよ」
瀬菜「はい!」
そして朝食も済ませて俺とにいちゃんは街に出る。
空を見上げればいつものように青く、ねえちゃんはいない、あるいはその青空の向こうにいて見えなかっただけかもしれない。一体いつになったらねえちゃんみたいに大きくなれるかな。
瀬菜「ね、にいちゃん」
「なーに?」
瀬菜「ねえちゃんがそんなに大きくなったのはどれくらい時間がかかったの?」
「え、あ、それは、まあ…35日、かな」
瀬菜「え、35日⁉︎」
すご〜く長い時間だと思ったのに、たったの35日、ねえちゃんはそんな大きくなった。こんな幼い私にとってもそれほど長くはない時間だ。
けどむしろこんなに短い時間だと思うと、こんな速度で伸びている私の方はむしろ遅いじゃないかと思った。こんなじゃ35日あっても高いタワーが超えられるかどうかもわからない。
それから私は医者に診てもらった。
医者「これは、何かの病気でもないようですね」
「そうですか…」
医者「それに、まだまだ伸びるらしいですよ、こんなに伸びていますけど、2mを超えられるかと思います」
けど医者さんが言ってたことが分からなくて、病院を出てから私はにいちゃんに聞いた。
瀬菜「にいちゃん、2mはなーに?」
「1mは100cmだよ。にいちゃんは2.8mだ」
瀬菜「え、そんなに小さいの?」
「え、な、何?」
だってにいちゃんってこんなに小さいよ、もちろん私と比べればずっと高いし、昔憧れてるのもあるけど、大きなねえちゃんを見たらむしろにいちゃんは小さいだと思ってた。
瀬菜「私はもっと伸びたかったのにな」
瀬菜:身長:155m 体重:42.82kg
莉菜:身長:92,381,632,018光年 体重:8.72×10^78t 一秒ごとに27,199,732光年伸びる

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