5月 15, 2020 **日

一日目

昨日にいちゃんの家に行った、にいちゃんとねえちゃんを見た。
にいちゃん相変わらず大きくて、頭が痛いほど見上げていた。
そしてねえちゃんはすっごく大きくなった、空を見上げればどこでもねえちゃんだ。
にいちゃんはねえちゃんが空にいたと言った、空はどんなに遠いかな、成長すれば届けるかな。
ワクワクしながらにいちゃんと一緒に寝て、朝を迎える。
瀬菜「にいちゃん、おはよう!」
「あ、もう起きたのか、おはよう、あれ」
まず私がベッドから降りると、にいちゃんも降りてきて、そしてなにがあったのか、私をマジマジと見つめてきている。そしてしゃがんできて、手を私の頭の方に伸ばしてくるかと思うと、自分の方と見比べた。
「なんか背、伸びた?いや…まさか」
瀬菜「私、伸びたの⁉︎測って測って」
ほとんど伸びてなかったのに、昨日あんなことがあって、私は強く、成長したい、と思った。それが叶ったのかな。
楽しみになって壁に駆けつけて、そこで壁に引かれた幾つの線に気づいた。最初こそ私よりそれほど高くはないが、見上げれば見上げるほど線と線の距離が遠くなって、最後はドアよりも高い位置にいた。これがねえちゃんの身長を測る線だったかな。そう考えながら私は壁に背を向けてにいちゃんに呼びかける。
瀬菜「早く早く!」
「わかったわかった」
私が十歩以上も駆けつけてきた距離を、にいちゃんは二歩で到着した、にいちゃんの足はとても長くて、私の身長の倍以上だ。
「ええと、81cm。莉菜最初の身長よりたった1cm低いか」
瀬菜「本当に!私、こんなに伸びたの?やった!」
「まだ…まさか…」
瀬菜「にいちゃん、どうしたの?」
「え、いや、なんでもない」
瀬菜「えへへ、ねえちゃんにも知らせないとね」
「あ、おい」
ねえちゃんは空の上にいるから、家から出ないといけない、にいちゃんも私の後ろを追って家を出た。
瀬菜「ねえちゃん!」
にいちゃんも空に呼び掛ければねえちゃんが現れるから、私も真似してみた。
そして案の定ねえちゃんが顔を出してきた。だけど、昨日よりずっと大きくて、空を埋め尽くしたほど大きかったのに、ねえちゃんの顔の全体がみえない。
莉菜「瀬菜ちゃん?どうしたの?」
瀬菜「ねえちゃん、昨日よりずっと大きい!すごい!」
莉菜「えへへ、私まだ成長したからね。それに、お兄ちゃんともっと近くにいるためにちょっと細工をして太陽系を私の乳首の周囲に回るようにしたの。だから前より近くなった」
瀬菜「たいようけい?」
「瀬菜はまだわからないかな。お日様と俺たちが住んでいる大地と色々、その全てかな」
瀬菜「ねえちゃんすごい!こんなに広いの、ねえちゃんの方が大きいの?」
莉菜「ふふ、そうだよ」
瀬菜「あ、実はね、私も成長したよ。今、81cmまで伸びたよ!」
莉菜「え、本当に?瀬菜も成長してきたの」
「あ、そうみたいだけど…ただ最近測っていないかもしれないし、なんとも言えないが」
莉菜「そっか、私ももっと成長しないとね、瀬菜の遅れを取るわけにはいかないね」
「一秒で337,317光年も伸びてる人が何言ってんだ」
瀬菜:身長:81cm 体重:9.92kg
莉菜:身長:1,066,228,742光年 体重:1.28×10^73 t 一秒ごとに337,317光年伸びる

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